「太陽光発電所設備の草刈り・雑草対策や除草って必ずやらなくちゃいけないの?」

太陽光発電投資を始める際に、この様な疑問を抱く方は少なくないと思います。
そして、雑草や草刈り対策・除草にはそれなりにコストがかかってきますし、太陽光発電所の収益性を考えると出来るだけ抑えたい所ですよね。
でも、油断して太陽光発電設備の雑草や草刈り対策・除草対策を怠ると様々なリスクや被害、売電収入ロスが降りかかってくる可能性があるんです!
様々な除草方法・防草対策など、雑草対策を詳しくまとめました。
太陽光発電所の雑草や草刈り対策・除草を放置することのリスク

パネルのホットスポット現象
太陽光パネルの近くで雑草が生い茂り、影を作るとそれが電気の抵抗となり発熱します。 この状態が続くと「ホットスポット現象」が起こり、パネルの一部が熱を持ち故障の原因となる事があります。 故障だけで済めばまだよいですが、最悪の場合漏電により火災が起きてしまうケースもあります。 雑草が原因のホットスポット現象は、一般的なパネルメーカーでは製品保証の対象外です。 故障した場合の修理・交換費用は自己負担となりますのでくれぐれもご注意下さい。
また、太陽光パネル1枚の発電量低下ではなく、ストリング全体の発電量低下に繋がり、年間の売電収入が下り収益にも大きな影響をあたえます。

パワーコンディショナの故障の原因
雑草によりパワーコンディショナが故障することもあります。 通常、パワーコンディショナは大雨による水没や積雪、雑草の侵入を防ぐためにも地上から1〜2mあたりの高さに設置されています。(もしそのような設計になっていない太陽光発電所は注意が必要です)
しかし、雑草の中にはススキやオオアレチノギクのように1~2mの背丈になるものがあり、またツル植物等は架台やパネル、ケーブル等を蔦って設備内に生い茂ってしまうと内部に雑草が侵入し、故障の原因となる事があります。
また、排熱用のファンがあるタイプのパワーコンディショナは、ファンから内部に雑草が侵入し不具合が発生する場合があります。
内部に侵入してしまうと、ショートして火災が発生する可能性もあります。
出来れば購入前に、所有地だけでなく周辺の土地にも蔓性の植物がないか確認しておきましょう。
もしも見つけた場合は、所有地まで伸びてくれば駆除するには長期戦となる恐れがあります

様々な雑草や草刈り・除草対策
雑草や草刈り・除草対策といっても、様々な方法があります。
所有地の広さや状況、予算などに応じてどの方法が最適か見極めましょう。
主に採用されている方法の中からいくつかご紹介いたします。
草刈り機
草刈り機で刈るというのは一番ポピュラーな除草方法です。 出来るだけメンテナンスコストを抑えたい個人投資家の方など、自分で草刈りを行う方もいます。 草刈り機はホームセンターなどで手軽に手に入りますし、自分で行う事を前提にしている方も少なくないです。 ただ、非常に重労働であるという事。特に、雑草が生い茂るのは春~夏にかけての気温が高い時期です。どんなに対策をしていても、熱中症などのリスクが高いです。 また、素人の扱いでは誤ってケーブル等を破損してしまう可能性もありますので、注意が必要です。 太陽光発電所の草刈りや雑草処理をされる際の注意点などの記事はこちらよりご覧下さい。
除草剤
除草剤を撒いて雑草を枯らす方法も、草刈りに次いで手軽に行える対策です。
コスト削減の為に自分で行う際にも草刈りよりも労力が少なくて済みます。
その際には、用途によって種類があるので除草剤選びを間違えないようにしましょう。
また、所有地が住宅街などにある場合は、散布の際近隣の住民にも気を配る必要がありますし、農地や畑が近くにある際も注意や配慮が必要ですし、近隣トラブルの原因にもなります。

クローバー等の緑肥植物の緑化工法
環境対策、土砂流出、雑草防止のために、クローバーの播種を行っている例をよくみかけます。
太陽光発電所でもクローバー等の緑肥植物の緑化工法は有効ですが、定着させる為にはノウハウが必要となります。
防草シート

除草作業後の敷地に防草シートを敷くことで、予め雑草が生えないようにする方法です。 単品でも防草効果は期待出来ますが、補助資材を併用することでメンテナンス頻度を削減することも可能。 定期的な除草コストが面倒な方や、所有地が遠方の方などに選ばれています。 自分で作業を行うことは非常に困難なため、基本的に施工・メンテナンスは外注となります。 また、安価なシートを選んでしまったり施工が雑だったりすると雑草が隙間やシートを突き抜けて生えてくる事もあるので注意が必要です。
その他、太陽光発電所草刈り雑草対策・除草方法
砕石敷き
除草作業後の敷地に砕石を敷き詰める事で、予め雑草が生えないようにする方法です。 比較的少ないコストで導入出来ることが魅力ですが、年数が経過すると隙間から雑草が侵入する為、定期的な除草作業が必要になります。 メンテナンスを極力減らしたい場合は防草シートとの併用がお薦めです。 また、石ハネによるパネルや設備の損傷には注意が必要です。
高足型架台
架台設置時に、足を高くして雑草との距離を作る方法です。 定期的な除草作業の回数を減らすことに効果を発揮します。 ただし、オオアレチノギクのように背の高い雑草や蔓性の植物などは、あまり放置するとすぐに届いてしまう恐れがあり、除草作業を定期的に行う必要はあります。 やはりこちらもメンテナンスを極力減らしたい場合は防草シートとの併用がお薦めです。
グランドカバー
除草作業後に、クローバーなどの種を蒔き、雑草の育成を抑える方法です。 見た目も自然で、施工コストも比較的安価で済みます。 しっかりと全面に定着させるまでの管理が必要、また雑草が全く生えない訳ではありませんので定期的なメンテナンスも必須となります。
インターレジェンス工法
水に溶かした重曹を雑草や土に高圧で吹き付け枯らす方法です。 処理回数を重ねるごとに、雑草の根を弱体化させ抑制します。 人にも農産物にも無害なので、安全性も高く環境に優しい方法として今注目されています。 初期投資がかかりますが、回数を重ねる毎にコストは下がります。
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